婚約破棄された公爵令嬢は冷徹国王の溺愛を信じない
しょんぼりするルチアを鏡の前に連れ戻し、マノンはにっこり微笑んだ。
「ですが、実のところは嬉しいんですよ」
「嬉しい?」
「はい。あのように元気なルチア様は久しぶりですから。ここ何年も、ルチア様は私たちのため、民のためにと、ずっと尽くしてくださっていたでしょう? 昔はもっと……いえ。とにかく、このお部屋はどうかと思いますし、このお城の人たちのルチア様への態度もどうかとは思いますが、あの馬鹿馬鹿しい噂のせいなら仕方ありません。すぐにルチア様が素晴らしい方だって、皆様お気づきになりますわ」
昨日とは違って、ゆったりと余裕を持たせた結い方で髪を整えながら話すマノンの言葉に、他の侍女たちも大きく頷いている。
ルチアは鼻の奥がつんとしたが、どうにか笑ってみせた。
みんなルチアを信じてついてきてくれたのだ。
これ以上の心配をかけるわけにはいかない。
「ですが、実のところは嬉しいんですよ」
「嬉しい?」
「はい。あのように元気なルチア様は久しぶりですから。ここ何年も、ルチア様は私たちのため、民のためにと、ずっと尽くしてくださっていたでしょう? 昔はもっと……いえ。とにかく、このお部屋はどうかと思いますし、このお城の人たちのルチア様への態度もどうかとは思いますが、あの馬鹿馬鹿しい噂のせいなら仕方ありません。すぐにルチア様が素晴らしい方だって、皆様お気づきになりますわ」
昨日とは違って、ゆったりと余裕を持たせた結い方で髪を整えながら話すマノンの言葉に、他の侍女たちも大きく頷いている。
ルチアは鼻の奥がつんとしたが、どうにか笑ってみせた。
みんなルチアを信じてついてきてくれたのだ。
これ以上の心配をかけるわけにはいかない。