婚約破棄された公爵令嬢は冷徹国王の溺愛を信じない
「予定通り、アーキレイ伯爵に直接会って、彼の真意を確かめるつもりだ」
「そっちじゃなくて、奥方のことですよ。噂は本当なんですかね? 部屋については文句を言ってこなかったようですけど、ひょっとして今頃言ってるかも?」
「だとすれば、エルマンが対処するだろう」
「奥方の部屋をあそこに決めたのはエルマンなんですから、それは当然ですよ」
「だが、私もお前も反対はしなかった」
「それはそうですけど……」
ジュストの言葉に反論することができず、ニコルはむうと黙った。
ニコルは弁が立つが、ジュストとエルマンにだけは勝てない。
勝つ気もないのだろう。
ニコルはすっかり黙ってしまい、ジュストは馬を進めながらこの結婚を──ルチアをどうするかについて考え始めた。
そもそもこの結婚を決めたのは、誰もが予想しているようにルチアの持参金目当てである。
「そっちじゃなくて、奥方のことですよ。噂は本当なんですかね? 部屋については文句を言ってこなかったようですけど、ひょっとして今頃言ってるかも?」
「だとすれば、エルマンが対処するだろう」
「奥方の部屋をあそこに決めたのはエルマンなんですから、それは当然ですよ」
「だが、私もお前も反対はしなかった」
「それはそうですけど……」
ジュストの言葉に反論することができず、ニコルはむうと黙った。
ニコルは弁が立つが、ジュストとエルマンにだけは勝てない。
勝つ気もないのだろう。
ニコルはすっかり黙ってしまい、ジュストは馬を進めながらこの結婚を──ルチアをどうするかについて考え始めた。
そもそもこの結婚を決めたのは、誰もが予想しているようにルチアの持参金目当てである。