愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする
「おはよう。あら、珍しい。凛がお手伝いしてる」
「偉いな、凛」
ふたりに褒められて凛は得意げに話し出した。
「凛の作ったおにぎりね、昨日りょーせー君がおいしいって言ってくれたんだよ。だからまた今度作ってあげるために練習しているの」
凛の話を聞き、私たちは思わず顔を見合わせた。
そんな風に考えていたなんて驚きだ。
「そっか、じゃあ練習用おにぎりをふみじいが食べてやろう」
「本当? じゃあ今からにぎにぎしてあげるね」
「おぉ! それは嬉しいな。ありがとう、凛」
さっそく文博さんのおにぎりを真剣に作り始めた凛に気づかれぬよう、明子さんが耳打ちしてきた。
「昨日はよく話を聞けなかったけど、大丈夫だったの?」
「はい。凛はすごく楽しんでいました」
「違うわよ、萌ちゃんのことを心配しているの!」
すぐに否定して明子さんはさらに声を潜めた。
「つらくなかった? 嫌な思いはしていない? 碓氷さん、あなたたちと遊んで記憶を取り戻したりしなかったわよね?」
応える暇もないほど質問され、たじろいでしまう。
「いいえ、そんなことはなにも。ただ……」
「ただ?」
「ただ、自分の気持ちとかこの先のこととかわからなくなりました」
「偉いな、凛」
ふたりに褒められて凛は得意げに話し出した。
「凛の作ったおにぎりね、昨日りょーせー君がおいしいって言ってくれたんだよ。だからまた今度作ってあげるために練習しているの」
凛の話を聞き、私たちは思わず顔を見合わせた。
そんな風に考えていたなんて驚きだ。
「そっか、じゃあ練習用おにぎりをふみじいが食べてやろう」
「本当? じゃあ今からにぎにぎしてあげるね」
「おぉ! それは嬉しいな。ありがとう、凛」
さっそく文博さんのおにぎりを真剣に作り始めた凛に気づかれぬよう、明子さんが耳打ちしてきた。
「昨日はよく話を聞けなかったけど、大丈夫だったの?」
「はい。凛はすごく楽しんでいました」
「違うわよ、萌ちゃんのことを心配しているの!」
すぐに否定して明子さんはさらに声を潜めた。
「つらくなかった? 嫌な思いはしていない? 碓氷さん、あなたたちと遊んで記憶を取り戻したりしなかったわよね?」
応える暇もないほど質問され、たじろいでしまう。
「いいえ、そんなことはなにも。ただ……」
「ただ?」
「ただ、自分の気持ちとかこの先のこととかわからなくなりました」