愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする

　その音は近づいてきており、彼のご両親が来たのだと気づき立ち上がる。緊張に襲われながらドアに目を向けると、勢いよく開いた。

「遼生！」

「遼生君！」

　病室に飛び込んできたのは、四年ぶりに会う彼の母と、そして同年代の綺麗な女性だった。

　ふたりは私がいたことに驚き、立ち止まる。だけどすぐに彼の母は私に気づき、鋭い目を向けた。

「どうしてあなたがいるの!?　今すぐここから出ていきなさい！」

「待ってください、私の話を聞いてください」

「聞くわけがないでしょう！」

　すぐに大きな声で私の言葉を遮り、ドアを大きく開けた。

「あの事故のおかげでやっと遼生がまっとうな人生を歩めると思ったのに、またあなたが邪魔をしていたのね！　今回もあなたが原因なの？　だったらなんていう疫病神かしら！」

　憎しみの籠った声で言われた言葉に怯みそうになるも、〝あの事故〟という言葉が気になる。