愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする
　こんな迷いをずっと繰り返して自問自答している。

　待っていると返信したものの、早く戻ってきてほしいような、ほしくないような……。なんともいえぬ複雑な気持ちだ。

　とはいえ、凛は遼生さんにしばらく会えないと聞き、すごくショックを受けていた。子供ながらに不安なのか「また会えるよね？」と毎日のように聞いてくる。

　それだけ凛にとって遼生さんは大きな存在になっているということ。それを考えるとやっぱり早く戻ってきてほしいとも思う。

　こんなことを何度も繰り返している間に時間は過ぎていく。まったく仕事が進まず、私は一度休憩を挟むことにした。

　キッチンで珈琲を淹れようと部屋を出ると、リビングから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「嘘」

　足早に廊下を進んでリビングに続くドアを開けると、そこには両親の姿があった。

「どうしているの？」

　びっくりして言えば、ふたりは顔を見合わせて笑った。
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