愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする
「私も感謝しています。こうしてまた遼生さんと再会することができて、昔よりもっと好きになることができたんですから」

 大きく目を見開いた遼生さんに、自分の思いを伝えていく。

「凛を授かってひとりで育てていくと覚悟を決めたはずなのに、遼生さんと再会してから気持ちが揺らいでいきました。私……ずっと遼生さんのことが忘れられなかったんです。できるなら遼生さんと凛と三人で幸せになりたい、家族になりたいって望むようになったんです」

 何度も迷い、悩みながら出た答え。私は遼生さんが好き。この先もずっと一緒にいたい。

「好きです。昔よりずっと。今度こそ遼生さんと幸せになりたいです」

「萌っ……!」

 次の瞬間、遼生さんは凛を抱いていない手で私を引き寄せた。

 四年ぶりに感じる彼のぬくもりに涙が零れ落ちる。ずっとこうして抱きしめてほしかった。「萌」って呼んでほしかったんだ。

「悪いけど、俺のほうが昔よりずっと萌のことが好きだから。俺も萌と凛ちゃんの三人で幸せになりたい」

 そう言って彼は私の旋毛にキスを落とした後、凛をそっと地面に下ろした。

「ごめん、凛ちゃん。ちょっと待ってて」

「……うん、いいよ」

 返事をした凛は、不思議そうに私たちを見上げた。そして遼生さんはポケットから綺麗な箱を手に取ると、私に向かって跪いた。
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