愛が溢れた御曹司は、再会したママと娘を一生かけて幸せにする
 普段は好んで食べない野菜もキャラクターに使うと喜んで食べてくれるんだよね。手間はかかるけれど、しっかり食べてくれるしなにより凛の喜ぶ顔が見られると私も嬉しい。

 みんなの朝食は鮭の塩焼きと凛が大好きな甘い玉子焼きにお味噌汁、作り置きの煮物や漬物を用意した。
 それらをテーブルに並び終える頃、凛が起きてきた。

「おはよー、ママ!」

 朝から元気いっぱいに駆け寄ってきた凛は、勢いそのままに私の足にしがみついた。

「おはよう、凛」

 膝を折って目線を合わせ、凛を優しく抱きしめた。だけどすぐに凛は私から離れて、自慢げにくるくると回った。

「ママ、えらい? 凛ねーひとりでお着替えできたの」

「うん、すっごくえらい! ひとりでよくできたね」

 拍手をして褒めると、凛はますます得意げになるから可愛い。

「凛、明日も頑張る」

「本当? すごいね、凛」

 最近の凛はなんでもひとりでやりたがる。起こす前にひとりで起きられるようになったし、着替えだってできるようになった。

 お手伝いも進んでやるようになって、成長をひしひしと感じていた。

「凛、すごい? もう立派なお姉ちゃん?」

 期待に満ちた目で聞いてきた凛の髪を優しく撫でた。

「うん、立派なお姉ちゃんだよ」

 私の話を聞いた途端に凛は嬉しそうにピョンピョンとジャンプするから、もう愛おしくてたまらない。

 そういえば最近、しきりに「お姉ちゃんになれる?」と聞いてくる気がする。保育園で小さな子に頼られたり、先生に言われたりしたのかな?
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