超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
「なるほど。やっぱり優しくていいお母さんですね」
「……うん。そうだね」
自然と出た笑みを浮かべながら返事をすると、桂木くんは「任せてください」と、自分の胸をドンと叩いた。
「お母さんから大役を賜ったので、一花さんはレッドカーペットを歩く気分で、堂々と登校してくださいね」
「……」
そ、そんなに堂々と登校したくないんだけど……。それに、家を出たばかりだというのに、足はもう震えてるし。手も、上手く動かせない。
「(こんなんで、本当に登校出来るのかな。私……)」
だんだんと不安になっていく私。
だけど、その時だった。
「では行きますか。さあ、お手をどうぞ」