超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
「でも昨日は”学級委員だから”って言ってたけど?」


――こちらのお品物をお届けに参りました
――委員長として当然の事をしたまでです


言うと、桂木くんは「言葉のあやですよ」と眼鏡をかけ直した。いやいや、それは無理があるから。


「桂木くんって、たまにウソをつくよね」

「僕が?やめてくださいよ。ウソをつくのは生涯を共に誓ったペットにだけと誓っています」

「待って。なんでペット?」


はぁ、やっぱりわけが分からない。

私は不機嫌な顔のまま、「昨日もウソついたじゃん」と、ふてくされた顔で桂木くんを見た。


「私がコンビニから帰って来た時。桂木くんは”唐揚げ美味しい”って言ってたけど……」


――お母さん、この唐揚げはどちらのシェフがお作りに?


「昨日ウチの食卓に、唐揚げなんて出なかったけど?」

「……」

「あれは、何のためのウソなの?」
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