超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
もう~いただきます!と。手を合わせて、お弁当を食べ始める。パクッ。あ、この卵焼き美味しい!
予想外のおいしさに、思わず笑みを浮かべてしまった私。そんな私を、桂木くんがメガネの奥から見つめていた。
見られていると食べずらいから……何か話そう。
「桂木くんはさ。どうして、私にここまでしてくれるの?」
「ここまで、とは。地平線の彼方までですか?すみません、僕の中で境界という概念が存在しなくて」
「今は真面目な話なんだけど?」
そう言うと、桂木くんはピタリと止まった。そして「僕はいつだって大真面目ですよ」と笑うもんだから、思わず見入ってしまった。
「どうしました?僕への情熱が抑えきれないですか?でも我慢してくださいね、ここは外なので」
「面倒なくらいにポジティブで羨ましいことで」
嫌味っぽく返した私。
だけど……本音でもある。
「桂木くんってさ、どうしてそんなに、自分に自信があるの?」