超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
「自信ですか?」


予想外の質問に、少し不意をつかれたらしい桂木くん。目を点にさせて私を見た後、また「ふっ」と笑った。


「僕は親に”ダメな奴”の烙印(らくいん)を押されて育ってきましたからね」

「え……?」

「だから小さい頃は、自分をずっと”ダメな奴”だと思ってましたよ。ある日を境に変わったのですが――覚えてないですか?」

「ん?何を?」


今度は唐揚げを食べながら「ん~美味しい」とほっぺが落ちそうになっている私。そんな私を見て、桂木くんは「ウンウン」と頷いた。


「あの時も、あなたはそんな風に笑ってました。その笑顔に、僕は救われたんですよ」

「え?私が、桂木くんを救う……?」

「はい。あれは確か、小学生の頃でした」


私の短い髪を見ながら、桂木くんは記憶を辿っていた。

その彼の記憶の中に、確かに。

過去の私は、存在していた――







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