超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
*桂木*
*桂木*
『何回言っても分かんないんだから、ダメよねぇ。もう小学生になったっていうのに、そんなんで本当に大丈夫なの?』
『……』
そんな心無い言葉を、母親から聞いた俺。当時、小学一年生。ランドセルが、まだピカピカだった頃。
昔から、母親は言い方に難癖ある人だった。それは誰に対しても平等に。だからこそ、子供である俺にも平等に、キツイ言葉が降って来た。
その言葉に、毎度。俺の心がどれだけ抉られているか――それを分かっていないのは、母親はもちろん、俺も同じだった。
今思えば、思い込んでいたんだと思う。自分はダメな奴なんだって。幼い頃から母親に言われ続けてたから。
だけど、あの日――
いつもなら流せるキツイ言葉が、なんだか流せなくて。言葉の代わりに涙を流した俺は、家を飛び出して近くの公園に行った。
その時に、同じくらいの女の子と会う。髪が長くてきれいな、元気ハツラツな女の子。