超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
『君が最初に助ける”困ってる子”はね、君だよ!』

『僕が、僕自身を助けるって事……?』

『そう!』


体育座りをして泣く俺の前に立って、笑顔で頷く女の子。その子に向かって、お母さんらしき人が「いちか~」と手を振った。


『あ、お母さんが呼んでる!じゃあ、またね!』

『う、うん……』

『お助けマンになってね!約束だよ!』

『! わ、わかった、約束する……っ』

『うん!』


その子とは、それきり会ってない。

だけど、その子と会った日の事を。あの時間を。

俺は一日だって、忘れた事はなかった。



*桂木*end


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