超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
「……ううん、このまま学校に行く」
そう言った私を、桂木くんは驚いた目で見た。
「やっぱり、僕が近くにいると幸福度指数が自ずと上がるんでしょうか。いつも疑問だったんですよ。学校に来ない一花さんは、毎日僕を見なくて何が幸せなんだろうって」
「ん?なんて?」
「だって、同じクラスで僕と同じ空気を吸う――それは高級エステに通ってると同じですよ?女性にとって、それは幸せな事でしょう?」
「ちょっと待って、自己肯定感が暴走してる……!」
止まって!とどまって!
宇宙語を聞いてる気分になるから!
頭を抱えて悩んでいる私の横で、桂木くんはビニールシートをたたんで、鞄の中に閉まっていた。そしてカバンを肩にかけながら「それでいいんですよ」と言った。
「一花さんも僕と同じクラスに登校して、幸せになればいいんです。だから……さっき”このまま学校に行く”って言ってくれて、嬉しかったですよ」
「桂木くん……」
「これで、やっと僕と同じ空気が吸えますね」
「(なんか一気に嫌な気分に……)」
どんよりした気分の私に、桂木くんは「行きますよ」と再び手を伸ばす。
「え、まさか学校に着くまで手を握るの?」
そう言った私を、桂木くんは驚いた目で見た。
「やっぱり、僕が近くにいると幸福度指数が自ずと上がるんでしょうか。いつも疑問だったんですよ。学校に来ない一花さんは、毎日僕を見なくて何が幸せなんだろうって」
「ん?なんて?」
「だって、同じクラスで僕と同じ空気を吸う――それは高級エステに通ってると同じですよ?女性にとって、それは幸せな事でしょう?」
「ちょっと待って、自己肯定感が暴走してる……!」
止まって!とどまって!
宇宙語を聞いてる気分になるから!
頭を抱えて悩んでいる私の横で、桂木くんはビニールシートをたたんで、鞄の中に閉まっていた。そしてカバンを肩にかけながら「それでいいんですよ」と言った。
「一花さんも僕と同じクラスに登校して、幸せになればいいんです。だから……さっき”このまま学校に行く”って言ってくれて、嬉しかったですよ」
「桂木くん……」
「これで、やっと僕と同じ空気が吸えますね」
「(なんか一気に嫌な気分に……)」
どんよりした気分の私に、桂木くんは「行きますよ」と再び手を伸ばす。
「え、まさか学校に着くまで手を握るの?」