超ポジティブな委員長の桂木くん (短)
「わ、私も中に入っていいですか?」

「どうぞ?あなたの持っている洗濯物も濡れますし、むしろ早く中に入ってください」

「ど、どうも……」


犯人を刺激しないように、ゆっくり慎重に会話を進める。

だけど、男の子の横を通ろうとした、その時。


ガシッ


「おやおや一花さん、これはいけませんね」

「え、私の名前……なんで知ってるの?」

「私があなたのクラスの委員長だからですよ」

「え、委員長!?」


「全然知らなかった!」と言うと、犯罪者――もとい委員長は、ズシャ!と膝から崩れ落ちた。


「え、倒れた!?」

「すみません、み、水を……っ」

「なんで瀕死!?」


分けわからないけど、言われるがままに水を持ってくる。

すると委員長はごくごくと、すごい勢いでコップの中の水を飲みほした。

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