真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬致します。婚約破棄しましょう
「宰相! 待ってくれ、セレスティーヌは」
「殿下、娘とはもう関係がなくなりましたので名前を呼ぶのは控えていただきましょうか……お相手の方に申し訳がない」
「私にセレスティーヌを……バイエ侯爵令嬢と呼べというのか?」
「そうなりますな……」
「十年間も共に過ごしたのにかっ!」
「それは真実の愛の前では秤にかけてはなりません」
「……くそっ! 気の迷いだ! セレスの事を嫌いになったわけではないんだ! むしろ、」
「聞きたくありませんでしたね、そんな戯れ言は! 貴方の言う真実の愛とはその程度だったとは……」
キッとサロモンを睨む宰相
「……サロモン、会いたくはないがパーティーでエスコートをするんだろう? その時に子爵令嬢を見せてもらう」
「………は、い」