真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬致します。婚約破棄しましょう

 ……なんだそのドレスは?

 奇抜なピンク色にド派手なリボン……

 頭に大きなリボン……

 胸元に大きなリボン……

 腰にも大きなリボン……

 散らばした大小のリボン……

 ……激しい頭痛が襲ってきた。

 ……センスのかけらもないではないかっ!


「えへへ、可愛いでしょ?」

 何か言葉を発さなくては…冷や汗が出てくる。

「あぁ……似合って、い、る」

 なんとか一言だけ褒める言葉が出てきた自分を褒めてやりたい……

「どうかしたの?具合、悪そうですよ……」

 顔は可愛いんだよな……

 しかし品がないんだその化粧……


「サロモン様、顔色が…」

 侍従に頼みアニエスと共にパーティーに行ってくれる様に頼み

「悪い少し休んでから出席するよ……」

 馬車を用意させ一人王宮へと戻る事にした。


 アニエスのドレスを作ろうと、いつものデザイナーに発注をかけようとしたが、セレスティーヌのドレスでないのなら作りたくないと断られた。

 デザイナーを探す時間がなく、アニエスの実家が世話になっている商家に頼むと言うので任せたのが悪かった……
 コネを使ってでも自力でデザイナーを頼むべきだったのだ……!
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