真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬致します。婚約破棄しましょう

お願いです。休ませてください

 会場に戻り頭痛のする頭を押さえながら、兄の腕を借り歩く……

「セレスティーヌ!」

 ラルフに声を掛けられるも

「すまないラルフ、セレスを帰らせることにするよ……」

「何があった?」

「ここではちょっと……」

「ではセレスを送ろう」

「今日の主役はお前だろう? 主役がいなくなるなんてそれはダメだ!」 

 キッパリと断られるラルフ

「……近いうちに会いに行くよ、セレス良い?」

 頷くセレスティーヌ

 両陛下に挨拶をしなければならない……疲れがどっと押し寄せるセレスティーヌ。

 はぁっ、帰りたい……


 婚約が白紙になったという噂はあっという間に駆け巡る。噂好きの社交界なのだ。表立って攻撃されないだけマシで、いろんな視線は感じる。
そして、意味不明な事を一生懸命語る元婚約者のサロモン…… 頭痛の種だ!

 兄と共に両陛下の元へと行く。挨拶の列は少ないようだ……近くには宰相の父もいる。すぐに挨拶の番が回ってきた。
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