真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬致します。婚約破棄しましょう
「おぉ……クリストファー、セレスティーヌよく来てくれた」
陛下に声を掛けられ二人礼をする。
「セレスティーヌこんな形で会うなんて…」
王妃の目には涙が見えた。
「楽しんでおるか? 少々顔色が悪いようだ」
気を使う陛下の言葉。
「わたくし如きにそのようなお言葉……もったいないですわ」
……なんとか微笑むセレスティーヌ。
「セレスティーヌがそのようなドレスを着るのを初めて見ますね、とても似合っているわ、気品があって美しいです」
「お褒めいただきありがとうございます」
……なんとか礼をする。
「ねぇ、セレスティーヌ考えが変わらない? きっとあの子の一時の気の迷いなの、戻ってきて欲しいの……あなたが居ないからみんな寂しがってるわよ?」
眉を顰め悲痛な顔で訴えて来る王妃。
「いえ、わたくしのような者が殿下の真実の愛を邪魔するわけには参りません、身を引かせてくださいまし……」
ますます顔色が悪くなるセレスティーヌ。