真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬致します。婚約破棄しましょう
「あら、まぁ、ふふふ」
「素敵…」
トルソーにかけてあるドレスに見入る。まるでサファイヤの様な色をした、スッキリとした美しいドレスが用意されていた。ラルフの瞳の色だ。
それに合わせた首飾りと耳飾りもセットになっていた。嬉しくて泣きそうになった。初めて感じるこの気持ちはなんだろう? 今日あった嫌なことが全部なくなったような気がした。
「あら! セレスちゃんたら……ふふふ、お礼の手紙を書きなさいな、すぐにね!」
「……うん」
今、自分がどんな顔をしているのか? 泣いているのか、笑っているのかわからない。ただ、母はわたくしを見て嬉しそうな顔をしていた。
部屋に戻り感謝の言葉と素直に嬉しくて、早くこのドレスを着てラルフに会いたいと手紙に綴った。
翌日、ラルフからいつものブーケとお菓子、手紙の返事が届いた。
ブーケよりお菓子より、早くラルフからの手紙が読みたくて部屋に駆けつけたら、その後母に小言を言われた…でも耳に入らないほど、浮かれていた。