真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬致します。婚約破棄しましょう
「……セレスティーヌさんが着ているドレスの方が良い生地を使っているのね! どちらで仕立てたの?」
まじまじと見る不躾な視線。
「これは贈って頂いたもので……」
「さすが、セレスティーヌさん! もう男が出来たのぉ?」
大きな声で言うので周りに丸聞こえだ。
「よして下さい……周りに迷惑ですよ……ここは王宮です」
周りにいる人の目が面白いものでも見るような目つきに変わる。なんだか嫌な予感がする。
「なぁに? 自分のテリトリーだとでも言いたいの?」
カクテルグラスを持ちセレスティーヌの近くによるアニエス。
「お酒を飲んでいらっしゃるのね? 飲み過ぎは宜しくないですよ、お水を飲んで……」
水が入ったグラスを取りアニエスに渡そうとすると、
パシャっとセレスティーヌの胸元に持っていたカクテルグラスの中身を掛けるアニエス!
「……ラルフ様にプレゼントしていただいたのに」
周りがざわつきはじめる……