真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬致します。婚約破棄しましょう

 セレスティーヌの元に跪くラルフ。

「セレスティーヌ、君を愛している。私と婚約して下さい」

 そっと手を取られる。

「……はい、お受けします」

 ホッとするラルフ。

 立ち上がりセレスティーヌの頬にキスをする。恥ずかしくて顔を赤くするが、嬉しくて涙が出る。


「ラルフ様、わたくし好きな人と結婚するって幼い頃に言っていたでしょ?」


「そうだね、言っていた」

「ラルフ様の事だったのね……殿下と婚約していた時に何か引っかかっていたのって……」

「私の事を忘れていたひどい女の話か……」

 くすくすと笑い出すラルフ。

「そ、それを言われると……」

「いや、良いよ、私の真実の愛の相手はセレスティーヌなんだ……受け止めてくれる?」

「うん」

「重いよ、私の愛は……長い間会ってもないのに蓄積されていたんだけど……」

「うん」

「そうか……卒業したらすぐ結婚したいんだけど……」

「うん」

「アルナンディ公爵夫人になってくれる?」

「うん」

「そうか……もう浮気はしないでくれ」

「……う、うん」

 チュッと口に触れるだけのキスをされた。

 二回目のファーストキスだった。


「こんな事聞くの嫌なんだけど、サロモンともキスした?」

「ない!」

 キッパリと答えるセレスティーヌ。




「………安心した」
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