真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬致します。婚約破棄しましょう

「ラルフ様、今日はどこに連れて行ってくださるの?」
「街に行こうか?新しいカフェが出来たんだけど、セレスが好きそうなスイーツがあるんだ、ご馳走するよ」
「わぁっ、嬉しい」

 ラルフの手を取り手を繋ぐ。

「ふふっ」
 幸せそうな顔をするセレスティーヌ


「…おまえから手を繋いで来た事なんて一度も無かったよなっ!」

「…まだいらしたの? わたくしたちは出かけますので、忘れ物をお持ちになってお引取りください」

 ふんっと顔を背ける。

「行くか、セレス」
「うんっ!」


「良かった…サロモンとは本当に何もなかったんだな」
 機嫌が良さそうなラルフ。

「はい! ただ婚約者としてパーティーに出席したくらいです、今まで婚約者として貰ったプレゼントも、全てお返ししたの。巻き込んでしまった子爵令嬢への慰謝料に使って貰えたら…値の張るものも中にはあったし…」

 にこりと笑うセレスティーヌ。

「さっぱりしているんだな…」
「……だってラルフ様からのプレゼントの前では全て霞んでしまうんですもの…」

 恥じらうようにラルフを見る。

「これは……参ったな…」
 軽くセレスティーヌに口付けをするラルフ。


「どうした?」
「ラルフ様、わたくしを迎えに来てくれて…約束を覚えていてくれて…ありがとうございます」

「どうした?セレスティーヌ」

 全身に嬉しさを纏うように笑うセレスティーヌ

「大好きです、ラルフ様!」




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