真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬致します。婚約破棄しましょう

 もちろん他国へは来賓として生活させてもらってはいるが、いつ帰って来られるか、生きて帰って来られる保証もない。セレスティーヌが、帰ったら会いに来てと言ってくれた。会いに行っても良いのか…もし自分の身に何かあったとしても、セレスティーヌに会いに帰ると言う約束だけは果たしたい。


 その後サロモンとセレスティーヌが婚約をしたと聞いた。もちろんショックは受けたが、仕方がない事であった。たまにホームシックになる事もあったり、辛い思いをするたびにセレスティーヌの事を思い出す。

 セレスティーヌ、君は私との約束なんか忘れているんだろうね…成長した君を遠くからでも見たい。

 エドワールが二十歳を過ぎた頃、帰る時期か…と思い国へ帰る事にした。サロモンとセレスティーヌは卒業後しばらくしてから式を挙げると聞いた。

 この気持ちは抑えなきゃな…私が帰った事を祝う夜会が行われる。沢山の者が集まってくれた、兄上からの紹介があった後、会場で見知った顔があるのに気づき声をかける。

「クリス!」

 幼馴染のクリストファーの隣に、ピンクブロンドの髪の美しい女性がいた。セレスティーヌだ!

 なんて美しくなったんだ……


セレスティーヌを見た瞬間に時が止まるような気持ちになった。その時、またセレスティーヌに恋をした。しかしセレスティーヌにはサロモンがいる。

悔しいがこれまでか……
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