悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
15話 聖女の訪問
私たちはクリストファーがついてきているのを確認しながら、街の大通りから一本裏へ、さらに一本裏へと進路を変えていった。
人通りもまばらになり、大通りの喧騒も届かない裏通りは住民とたまにすれ違うくらい閑散としている。
「ユーリ、そこの角を曲がると細い路地になってる。三つ目の扉が開くから中に入って待っててくれ」
「フレッドはどうするの?」
「害虫駆除だ」
ニヤリと笑ったフレッドは私の手を引き角を曲がる。言われた通りに三番目の扉に入って息を潜ませていた。
すると誰かが駆けてきた足音が聞こえ、次に激しくぶつかったような音、ドシャッとなにかが崩れるような音が聞こえてきた。
「ユーリ、もう大丈夫だ」
いつもの穏やかな声が聞こえてきたので恐る恐る扉を開けると、フレッドの足元にクリストファー殿下がうつ伏せで転がっていた。
ピクリとも動かないから、すでに意識はないようだ。
「クリストファー殿下……」
「気を失っているだけだ」
「これからどうするの?」
クリストファー殿下はこれでもバスティア王国の王太子だ。さすがに牢獄に入れるわけにいかないけれど、かといって、なにもせずにいたらまたつけ回される。
人通りもまばらになり、大通りの喧騒も届かない裏通りは住民とたまにすれ違うくらい閑散としている。
「ユーリ、そこの角を曲がると細い路地になってる。三つ目の扉が開くから中に入って待っててくれ」
「フレッドはどうするの?」
「害虫駆除だ」
ニヤリと笑ったフレッドは私の手を引き角を曲がる。言われた通りに三番目の扉に入って息を潜ませていた。
すると誰かが駆けてきた足音が聞こえ、次に激しくぶつかったような音、ドシャッとなにかが崩れるような音が聞こえてきた。
「ユーリ、もう大丈夫だ」
いつもの穏やかな声が聞こえてきたので恐る恐る扉を開けると、フレッドの足元にクリストファー殿下がうつ伏せで転がっていた。
ピクリとも動かないから、すでに意識はないようだ。
「クリストファー殿下……」
「気を失っているだけだ」
「これからどうするの?」
クリストファー殿下はこれでもバスティア王国の王太子だ。さすがに牢獄に入れるわけにいかないけれど、かといって、なにもせずにいたらまたつけ回される。