悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
フレッドは腕を組んで少し思案した後、凍りつくような視線でクリストファー殿下を睨みつけながら口を開いた。
「そうだな……ユーリに近づけないように呪いでもかけるか」
「え! そんなことできるの!?」
「リンク」
フレッドの声かけに、影の中から黒装束のひょろっとした男性が現れた。
「はい。ここに」
「この男がユーリに近づいたら、激しい痛みが走る呪いをかけてくれ。接触した際は全身激痛が走るくらいだ」
「御意」
それだけのやり取りで、リンクと呼ばれた男性はクリストファー殿下を抱えて影に溶けていくように姿を消した。
王太子妃の教育で、王族や皇族のために特殊な技術を体得した影と呼ばれる暗部がいると学んだ。もしかしたら彼らがその影なのだろうか。
「今のは……皇族の影?」
「ああ、リンクと言って俺専属だ。愛想はないが腕は確かだから安心してくれ」
そんな機密事項をこうもあっさり暴露してよいのだろうか? もう聞いてしまったのでどうにもできないけれど。
フレッドに尋ねても、私だから問題ないとか言いそうなので、口を噤んだ。
「そうだな……ユーリに近づけないように呪いでもかけるか」
「え! そんなことできるの!?」
「リンク」
フレッドの声かけに、影の中から黒装束のひょろっとした男性が現れた。
「はい。ここに」
「この男がユーリに近づいたら、激しい痛みが走る呪いをかけてくれ。接触した際は全身激痛が走るくらいだ」
「御意」
それだけのやり取りで、リンクと呼ばれた男性はクリストファー殿下を抱えて影に溶けていくように姿を消した。
王太子妃の教育で、王族や皇族のために特殊な技術を体得した影と呼ばれる暗部がいると学んだ。もしかしたら彼らがその影なのだろうか。
「今のは……皇族の影?」
「ああ、リンクと言って俺専属だ。愛想はないが腕は確かだから安心してくれ」
そんな機密事項をこうもあっさり暴露してよいのだろうか? もう聞いてしまったのでどうにもできないけれど。
フレッドに尋ねても、私だから問題ないとか言いそうなので、口を噤んだ。