悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
第五章 一番大切なもの
16話 私の大切なもの
へレーナは特別貴賓室へ案内されて、愛想を振りまきながら謁見室を後にした。私もフレッドとともに私室へ戻る。皇太子と結婚するとへレーナが宣言していたことから、ミカも心配してついてきてくれた。
「ユーリ、顔色が悪い……大丈夫か?」
「ええ、大丈夫……」
「お姉ちゃん、あの人知り合いなの……?」
ミカの言葉にズシンと心が重くなる。
最後は私のクレームに対応してくれたとはいえ、それまであまりいい記憶はない。恋人を寝取られたのはもちろんショックだったけれど、その他にも宮田さんのフォローは随分してきた。
それも先輩社員である私の務めだと思って、私情は追いやって仕事に打ち込んでいた。
「実は……前世で働いていた会社の後輩だったの」
「うげっ、あんなキャラの後輩いたの!? お姉ちゃん大変だったね……」
「かいしゃ……はよくわからないが、前世の知り合いか」
「そうなの。ただ、あんまり仲良くはなかったから」
ミカは「わたしも仲良くとか無理ー!!」と叫んでフレッドも「俺も無理だな」と頷いている。
どうしよう、宮田さんは私の話を聞いてくれるだろうか? こんな状況だし、もし私が打ち明ければ困っていたと助けを求めてくるかも……それなら、このまま知らんぷりはできない。
「ユーリ、顔色が悪い……大丈夫か?」
「ええ、大丈夫……」
「お姉ちゃん、あの人知り合いなの……?」
ミカの言葉にズシンと心が重くなる。
最後は私のクレームに対応してくれたとはいえ、それまであまりいい記憶はない。恋人を寝取られたのはもちろんショックだったけれど、その他にも宮田さんのフォローは随分してきた。
それも先輩社員である私の務めだと思って、私情は追いやって仕事に打ち込んでいた。
「実は……前世で働いていた会社の後輩だったの」
「うげっ、あんなキャラの後輩いたの!? お姉ちゃん大変だったね……」
「かいしゃ……はよくわからないが、前世の知り合いか」
「そうなの。ただ、あんまり仲良くはなかったから」
ミカは「わたしも仲良くとか無理ー!!」と叫んでフレッドも「俺も無理だな」と頷いている。
どうしよう、宮田さんは私の話を聞いてくれるだろうか? こんな状況だし、もし私が打ち明ければ困っていたと助けを求めてくるかも……それなら、このまま知らんぷりはできない。