悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
3話 婚約の解消を希望します
私はまず、王太子の浮気相手として排除してきたご令嬢たちの行方を追った。断罪される要素を減らすため、心から謝罪して歩くことにしたのだ。
少々やり過ぎた制裁をなかったことにできないかもしれないが、せめてもとの暮らしに近づけるよう精一杯償いたい。もう王太子となんやかんやあったのはどうでもいいので、とにかくご令嬢たちのマイナスにならないように配慮した。
もう何人目になるか、今回は侯爵令嬢であるレイチェル様へ謝罪にやってきた。
「あの時は大変申し訳ございませんでした。いくらクリストファー殿下に浮気されたからといって、怒りをぶつける先を間違えておりました。レイチェル様に弁解の余地も与えず、一方的に処罰するような真似をして本当に申し訳ございません」
「そんな……! お顔を上げてください、ユーリエス様! クリストファー殿下の誘いを断り切れなかった、わたくしの責任でございます。お怒りはごもっともでございます」
「いいえ、あの件で婚約を破棄されたと伺いました。そちらも正しく事実をお伝えし、なんとか……」
「よろしいのです。あのお方はもう別の方と結婚されましたから」
寂しそうに笑うレイチェル様に胸が締めつけられた。詳しく調べてみると、実はレイチェル様はクリストファー殿下に無理やり関係を迫られたということだった。
少々やり過ぎた制裁をなかったことにできないかもしれないが、せめてもとの暮らしに近づけるよう精一杯償いたい。もう王太子となんやかんやあったのはどうでもいいので、とにかくご令嬢たちのマイナスにならないように配慮した。
もう何人目になるか、今回は侯爵令嬢であるレイチェル様へ謝罪にやってきた。
「あの時は大変申し訳ございませんでした。いくらクリストファー殿下に浮気されたからといって、怒りをぶつける先を間違えておりました。レイチェル様に弁解の余地も与えず、一方的に処罰するような真似をして本当に申し訳ございません」
「そんな……! お顔を上げてください、ユーリエス様! クリストファー殿下の誘いを断り切れなかった、わたくしの責任でございます。お怒りはごもっともでございます」
「いいえ、あの件で婚約を破棄されたと伺いました。そちらも正しく事実をお伝えし、なんとか……」
「よろしいのです。あのお方はもう別の方と結婚されましたから」
寂しそうに笑うレイチェル様に胸が締めつけられた。詳しく調べてみると、実はレイチェル様はクリストファー殿下に無理やり関係を迫られたということだった。