悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
「だが……これはコンラッド辺境伯に伝わる家宝ではないのか?」
「確かにそうですが、聖剣に選ばれた者こそが持つべきです。なにより持ち主であるイリスがそれを望んでおります」
「これまでも聖剣なしでこの地を守ってきたのです。我らが持っていたとて、宝の持ち腐れでしかありません」
イリス様は慈しむように聖剣を見つめて、フレッドに向けて言葉を続けた。
「ですから、この聖剣をお受け取りください」
この聖剣にはコンラッド辺境伯の歴史が刻まれている。代々の勇者の気高き思いも。フレッドはその重さを感じ取っているようだった。
「わかりました。それではお借りしていきます。必ず返しにまいります」
「ふふっ、ではその時は邪神を倒した話をお聞かせください」
「ええ、もちろんです。本当にありがとうございます」
こうして聖剣を手にして、コンラッド辺境伯の屋敷を後にした。フレッドはイリス様と再び会うことになるのだろう。
そこからなにかが始まるのかもしれない。今回はイリス様はクリストファー殿下と出会っていないのだから。
「確かにそうですが、聖剣に選ばれた者こそが持つべきです。なにより持ち主であるイリスがそれを望んでおります」
「これまでも聖剣なしでこの地を守ってきたのです。我らが持っていたとて、宝の持ち腐れでしかありません」
イリス様は慈しむように聖剣を見つめて、フレッドに向けて言葉を続けた。
「ですから、この聖剣をお受け取りください」
この聖剣にはコンラッド辺境伯の歴史が刻まれている。代々の勇者の気高き思いも。フレッドはその重さを感じ取っているようだった。
「わかりました。それではお借りしていきます。必ず返しにまいります」
「ふふっ、ではその時は邪神を倒した話をお聞かせください」
「ええ、もちろんです。本当にありがとうございます」
こうして聖剣を手にして、コンラッド辺境伯の屋敷を後にした。フレッドはイリス様と再び会うことになるのだろう。
そこからなにかが始まるのかもしれない。今回はイリス様はクリストファー殿下と出会っていないのだから。