悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
フラッシュバックに耐えかねて私は視線を下げる。ここは前世と違うとわかっていても、あの時の悲しみや孤独感がぶり返して、どうしても直視できない。
「そんな顔してたって、こうすればみんな……え、ちょっと。なんで……!?」
「悪いが俺が反応するのはユーリだけだ」
「……っ!!」
「なんなのあんた! ふざけんなっ!! ちょっと、あの男を連れてきて!!」
激昂したへレーナの命令で、神官のひとりが慌てて深くフードを被った人物を連れてくる。隣に立ったその人物は——。
「ほら! 貴方の探していた女はそこにいるわ! もう好きにしていいから早く消えて!!」
「やっと会えたな……ユーリエス! 僕だ、クリストファーだ! 一緒に国に帰って僕と結婚しよう!!」
行方不明になっていたクリストファー殿下だった。
「クリストファー殿下……!」
「ああ、待たせてすまなかった。ずっとユーリエスを探していて、遅くなってしまったな。さあ……」
そうしてクリストファーが私に手を伸ばしてくる。逃げようにも膝をついている上に鎖で繋がれているから咄嗟に動けない。
クリストファー殿下が私の腕に触れた瞬間、耳をつんざくような悲鳴が上がった。
「そんな顔してたって、こうすればみんな……え、ちょっと。なんで……!?」
「悪いが俺が反応するのはユーリだけだ」
「……っ!!」
「なんなのあんた! ふざけんなっ!! ちょっと、あの男を連れてきて!!」
激昂したへレーナの命令で、神官のひとりが慌てて深くフードを被った人物を連れてくる。隣に立ったその人物は——。
「ほら! 貴方の探していた女はそこにいるわ! もう好きにしていいから早く消えて!!」
「やっと会えたな……ユーリエス! 僕だ、クリストファーだ! 一緒に国に帰って僕と結婚しよう!!」
行方不明になっていたクリストファー殿下だった。
「クリストファー殿下……!」
「ああ、待たせてすまなかった。ずっとユーリエスを探していて、遅くなってしまったな。さあ……」
そうしてクリストファーが私に手を伸ばしてくる。逃げようにも膝をついている上に鎖で繋がれているから咄嗟に動けない。
クリストファー殿下が私の腕に触れた瞬間、耳をつんざくような悲鳴が上がった。