悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
「レイチェル様、ありがとうございます。この化粧水で商売を考えてみます。それとは別できちんと殿方も探します」
「うふふ、こちらこそありがとうございます! こんなワクワクする商品に出会えて光栄ですわ。国内で販売する際はぜひ我が侯爵家が運営する商会で独占販売させてくださいませ」

 こうして自活するための方法も決まったので、商品化の準備と並行しつつ被害者でもあるご令嬢たちのもとを回った。ちなみに自ら進んで浮気したご令嬢には接触していない。本当に公爵家の諜報部員が優秀で大助かりだ。

 化粧水に関しては、レイチェル様が営業してくださるというので、小瓶のサンプルを作って百本ほど渡した。バスティア王国である程度売り上げが溜まったら、本格的に店舗を構えて商売を始めよう。
 いまだ物語が始まる兆候はない。私の破滅回避はうまく進んでいるようだった。



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