悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
第二章 ダラを極める
4話 メリハリが大事
お父様の執務室から出るとフレッドが待っていた。屋敷の中は平気だと言ったのに、いつのまにかそばにいるのだ。
ちょうどいいから、部屋に戻って早速フレッドに恋人がいないか尋ねた。
「ねえ、フレッド。貴方、恋人はいるかしら?」
「は!? 恋人なんていません!!」
フレッドは慌てた様子で否定する。別に恋人がいたからといって、護衛をクビになるわけではないのに、なぜそんなに焦っているのだろう?
「じゃあ、問題ないわね。私、この国を出て行くことにしたの。もし護衛としてついてくるように、お父様から打診を受け——」
「行きます。俺はユーリ様の専属護衛です。俺が行かなくて誰が行くというのですか。今すぐフランシス公爵に交渉してきます……!」
そう言ってフレッドは、私が声をかける間もなく部屋から駆け出していった。
ちょうどいいから、部屋に戻って早速フレッドに恋人がいないか尋ねた。
「ねえ、フレッド。貴方、恋人はいるかしら?」
「は!? 恋人なんていません!!」
フレッドは慌てた様子で否定する。別に恋人がいたからといって、護衛をクビになるわけではないのに、なぜそんなに焦っているのだろう?
「じゃあ、問題ないわね。私、この国を出て行くことにしたの。もし護衛としてついてくるように、お父様から打診を受け——」
「行きます。俺はユーリ様の専属護衛です。俺が行かなくて誰が行くというのですか。今すぐフランシス公爵に交渉してきます……!」
そう言ってフレッドは、私が声をかける間もなく部屋から駆け出していった。