悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
ダラとはなにか。ベッドに入ったが最後、そこから一歩も動かず、すべての用事を済ませ、とにかくグータラすることだと。
「いや、食事や風呂やトイレはどうされるのですか?」
「食事は通いのメイドを手配したし、お風呂は気が向いた時に入浴して、トイレは仕方ないからベッドから出るわよ」
「はあ……これはまた、なんとも予想外な……」
「だから、しばらくフレッドの仕事はないの。お給金は払うから好きにしてていいわ」
「……仕事が、ない?」
途端にフレッドの空気がいつもと違うものになった。なんだかピリピリして、今にもフレッドに食われそうな錯覚に襲われる。さすが騎士だけある。いや、そうじゃなくて、もしかして私がクビにすると勘違いしたのだろうか?
「護衛の仕事はないということよ。家から出ないし。だから家も別にしていいし自由にしてと言ったの!」
「……なるほど、しかしそれでは俺が……」
フレッドは腕を組んでなにやら考え込んでいる。やがて決意をにじませたサファイアの瞳を私に向けた。
「いや、食事や風呂やトイレはどうされるのですか?」
「食事は通いのメイドを手配したし、お風呂は気が向いた時に入浴して、トイレは仕方ないからベッドから出るわよ」
「はあ……これはまた、なんとも予想外な……」
「だから、しばらくフレッドの仕事はないの。お給金は払うから好きにしてていいわ」
「……仕事が、ない?」
途端にフレッドの空気がいつもと違うものになった。なんだかピリピリして、今にもフレッドに食われそうな錯覚に襲われる。さすが騎士だけある。いや、そうじゃなくて、もしかして私がクビにすると勘違いしたのだろうか?
「護衛の仕事はないということよ。家から出ないし。だから家も別にしていいし自由にしてと言ったの!」
「……なるほど、しかしそれでは俺が……」
フレッドは腕を組んでなにやら考え込んでいる。やがて決意をにじませたサファイアの瞳を私に向けた。