悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
5話 俺の心は奪われた(フレッド視点)
* * *
俺はフランセル公爵家の護衛騎士として雇われた。さらに、とある事情があって、公爵の愛娘であるユーリエスの専属護衛として仕えることになった。
正直なところ出会った時は特になんていうこともなかった。
漆黒の艶のある髪に、アメジストのような薄紫の瞳。鼻筋は真っ直ぐに伸びて、ぽってりとした唇は桜色に染まり、まあ、容姿は整っていると思う。
俺は幼い頃から勉強も剣術も魔法も、他の誰よりも努力して身につけてきたから、こんなご令嬢のひとりやふたり護衛するのは簡単な仕事だ……と思っていた。
「フレッド・フォードと申します。本日よりユーリエス様の専属護衛として配属されました。よろしくお願いいたします」
「そう、よろしくね。早速だけど、今日の午後は出かけるから、護衛をお願いするわ」
「承知いたしました」
専属護衛として、当然のようにユーリエスの後に続く。常に周囲に気を配り、怪しいものや危険はいないか探し、無事に帰宅できるよう努めを果たせばいい。そう思っていたのだが。
俺はフランセル公爵家の護衛騎士として雇われた。さらに、とある事情があって、公爵の愛娘であるユーリエスの専属護衛として仕えることになった。
正直なところ出会った時は特になんていうこともなかった。
漆黒の艶のある髪に、アメジストのような薄紫の瞳。鼻筋は真っ直ぐに伸びて、ぽってりとした唇は桜色に染まり、まあ、容姿は整っていると思う。
俺は幼い頃から勉強も剣術も魔法も、他の誰よりも努力して身につけてきたから、こんなご令嬢のひとりやふたり護衛するのは簡単な仕事だ……と思っていた。
「フレッド・フォードと申します。本日よりユーリエス様の専属護衛として配属されました。よろしくお願いいたします」
「そう、よろしくね。早速だけど、今日の午後は出かけるから、護衛をお願いするわ」
「承知いたしました」
専属護衛として、当然のようにユーリエスの後に続く。常に周囲に気を配り、怪しいものや危険はいないか探し、無事に帰宅できるよう努めを果たせばいい。そう思っていたのだが。