悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
情報量が多くてついていけない。
なんだって? 婚約を解消した? 誰と誰と言ったか。それに、さっきの女が昔私の相手をさせたレイチェルの妹だって? だからなんだと言うのだ。
「さっきの女のことなどどうでもよいだろう! ただの気まぐれなのだ。婚約破棄されたとしても、別の相手を探せばいいだけではないか」
「そうはおっしゃいますが、お相手はリンフォード帝国の王弟の三番目のご子息でございます。このことが相手に知られたら、両国の関係は一気に緊張状態になるでしょうな」
むしろ私を助けたのだと言いたげな宰相の言葉に、なにも返せない。確かにそれは相手が悪かった。
私が婚約者を寝取ったと知られたら、帝国に反意があると捉えられる可能性がある。
さすがに帝国相手では戦力に差がありすぎて、我が国には分が悪い。
「くっ……ならば、婚約解消というのはなんだ? いったい誰と誰の話だ!」
「先ほども申し上げましたが、クリストファー殿下と私の愛娘ユーリエスの婚約を解消したと申し上げました」
「……私と、ユーリエスだって……? なにを馬鹿な……!」
「そうおっしゃられても、すでに婚約は解消しております」
「そんなもの、私は認めない! ユーリエスは私の婚約者だ!!」
なんだって? 婚約を解消した? 誰と誰と言ったか。それに、さっきの女が昔私の相手をさせたレイチェルの妹だって? だからなんだと言うのだ。
「さっきの女のことなどどうでもよいだろう! ただの気まぐれなのだ。婚約破棄されたとしても、別の相手を探せばいいだけではないか」
「そうはおっしゃいますが、お相手はリンフォード帝国の王弟の三番目のご子息でございます。このことが相手に知られたら、両国の関係は一気に緊張状態になるでしょうな」
むしろ私を助けたのだと言いたげな宰相の言葉に、なにも返せない。確かにそれは相手が悪かった。
私が婚約者を寝取ったと知られたら、帝国に反意があると捉えられる可能性がある。
さすがに帝国相手では戦力に差がありすぎて、我が国には分が悪い。
「くっ……ならば、婚約解消というのはなんだ? いったい誰と誰の話だ!」
「先ほども申し上げましたが、クリストファー殿下と私の愛娘ユーリエスの婚約を解消したと申し上げました」
「……私と、ユーリエスだって……? なにを馬鹿な……!」
「そうおっしゃられても、すでに婚約は解消しております」
「そんなもの、私は認めない! ユーリエスは私の婚約者だ!!」