悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
それから何時間くらい経ったのだろうか、気が付けば部屋は薄暗くなっていた。どうりで本が読みづらいと思った。
「お腹すいたわね……なにか食べる物はあるかしら」
私はしおりを本に挟んで、キッチンのある一階へと下りた。
階段を降りる途中からいい匂いが漂ってくる。香ばしくてスパイシーで食欲をそそる懐かしい匂いに、自然と足が早まった。
「フレッド! 今なにか作ってる!?」
「あ、ユーリ様。ええ、騎士たちに一番人気だったカレーを作ってます」
「カレー!!」
「ユーリ様の口に合うかわかりませんが、味は保証しますよ。女性騎士にも人気で——」
「大丈夫! 食べるから! 大盛りでお願いします!!」
カレーだ。カレーライスだ! カレーライス!!
まさかこの世界にはあるとは思っていなかった。少なくともバスティア王国では見たことがない。もしかして帝国のオリジナル料理なのか、それとも一般市民には馴染みの味なのか。
久しぶりすぎて大興奮してしまったけれど、貧乏姉妹の食卓に週に一度は並んでいた料理だ。一人暮らしでも外食したり、買ったりして食べるくらいは好きだった。
「お腹すいたわね……なにか食べる物はあるかしら」
私はしおりを本に挟んで、キッチンのある一階へと下りた。
階段を降りる途中からいい匂いが漂ってくる。香ばしくてスパイシーで食欲をそそる懐かしい匂いに、自然と足が早まった。
「フレッド! 今なにか作ってる!?」
「あ、ユーリ様。ええ、騎士たちに一番人気だったカレーを作ってます」
「カレー!!」
「ユーリ様の口に合うかわかりませんが、味は保証しますよ。女性騎士にも人気で——」
「大丈夫! 食べるから! 大盛りでお願いします!!」
カレーだ。カレーライスだ! カレーライス!!
まさかこの世界にはあるとは思っていなかった。少なくともバスティア王国では見たことがない。もしかして帝国のオリジナル料理なのか、それとも一般市民には馴染みの味なのか。
久しぶりすぎて大興奮してしまったけれど、貧乏姉妹の食卓に週に一度は並んでいた料理だ。一人暮らしでも外食したり、買ったりして食べるくらいは好きだった。