悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
第三章 専属護衛がお熱い
8話 お引き取りください
「え!? どうして今頃……?」
とっくに婚約は解消されているのに、なぜか今になって王太子が訪ねてきた。フレッドは珍しく厳しい顔つきで、私が会いたくないと言ったら力づくでも排除しそうだ。さすがにここは帝国内だとはいえ、王族を無下に扱うようなことをさせたら危険だ。
本当に面倒だけれど無視することもできないし、私が対応するしかないようだ。
「わかったわ。今行くわね」
部屋着のままなので簡易的なワンピースに着替えてから玄関まで行くと、勢いよく王太子殿下が詰め寄ってきた。
「ユーリエス……ユーリエスだな!」
「はい、確かにそうですが……いったいどのよ——」
「お前に聞きたいことが山ほどあるのだ! いったいどういうことだ? 婚約解消など聞いていないぞ!?」
「あの、ここは外ですから声を控え——」
「外がなんだというのだ! 私は今それどころではないのだ!! お前、何が目的だ!?」
ダメだ、頭に血が昇って私の話を聞いてくれない。このままではご近所様とは多少の距離があるとはいえ、迷惑がかかってしまうかもしれない。仕方なくリビングに通すことにした。
とっくに婚約は解消されているのに、なぜか今になって王太子が訪ねてきた。フレッドは珍しく厳しい顔つきで、私が会いたくないと言ったら力づくでも排除しそうだ。さすがにここは帝国内だとはいえ、王族を無下に扱うようなことをさせたら危険だ。
本当に面倒だけれど無視することもできないし、私が対応するしかないようだ。
「わかったわ。今行くわね」
部屋着のままなので簡易的なワンピースに着替えてから玄関まで行くと、勢いよく王太子殿下が詰め寄ってきた。
「ユーリエス……ユーリエスだな!」
「はい、確かにそうですが……いったいどのよ——」
「お前に聞きたいことが山ほどあるのだ! いったいどういうことだ? 婚約解消など聞いていないぞ!?」
「あの、ここは外ですから声を控え——」
「外がなんだというのだ! 私は今それどころではないのだ!! お前、何が目的だ!?」
ダメだ、頭に血が昇って私の話を聞いてくれない。このままではご近所様とは多少の距離があるとはいえ、迷惑がかかってしまうかもしれない。仕方なくリビングに通すことにした。