悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
「落ち着いてください。きちんとお話ししますので、狭い家ですが中へどうぞ」
「それなら早く家の中へ通せ!」
家に上げても「なんだこの狭さは! 犬小屋よりもひどいではないか!」とかほざいて、いちいちムカついた。
だけど顔には出さず、フレッドには護衛の仕事に専念してもらっている。
前世の経験からDV気質のある男は、激昂したら手が出るので危険だと知っているからだ。私がお茶とお菓子を用意して王太子殿下の対面にゆっくりと腰掛けた。
すると王太子殿下が捲し立てるように口を開き、勢い余ってテーブルに手をつき身を乗り出してくる。
「ユーリエス! 婚約解消とはどういうことだ!? お前は私を愛しているのではなかったのか!?」
「失礼ですが、王太子殿下。私とはすでに婚約を解消いたしましたので、ユーリエス嬢とお呼びください」
婚約者でもなんでもない私を、いまだに呼び捨てにされることは我慢ならなかった。私の隣に立つフレッドが守ってくれるという安心感もあり、はっきりと拒絶の姿勢を示せた。
「それなら早く家の中へ通せ!」
家に上げても「なんだこの狭さは! 犬小屋よりもひどいではないか!」とかほざいて、いちいちムカついた。
だけど顔には出さず、フレッドには護衛の仕事に専念してもらっている。
前世の経験からDV気質のある男は、激昂したら手が出るので危険だと知っているからだ。私がお茶とお菓子を用意して王太子殿下の対面にゆっくりと腰掛けた。
すると王太子殿下が捲し立てるように口を開き、勢い余ってテーブルに手をつき身を乗り出してくる。
「ユーリエス! 婚約解消とはどういうことだ!? お前は私を愛しているのではなかったのか!?」
「失礼ですが、王太子殿下。私とはすでに婚約を解消いたしましたので、ユーリエス嬢とお呼びください」
婚約者でもなんでもない私を、いまだに呼び捨てにされることは我慢ならなかった。私の隣に立つフレッドが守ってくれるという安心感もあり、はっきりと拒絶の姿勢を示せた。