悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
だから、どちらにしてもクリストファー殿下の未来は暗いものになるだろう。
「それでは私が王太子でいられないのだ! 激怒した公爵から廃太子を迫られて、お前と再度婚約しないと私は——」
そして結局、自分のことしか考えていない。廃太子したくないからここまできたのだ。自分の保身のためだけに。
「だからなんですの? 婚約者でもない私には関係のないことです。お引き取りください」
「そ、そんなこと言わないでくれ! お前と私の仲ではないか!」
「ふざけたことをおっしゃらないでください。貴方様とはもう縁もゆかりもない、ただの他人ですわ」
王太子殿下は返す言葉がないようで、ガックリと項垂れた。
私がフレッドに視線を向けると、承知したと言わんばかりにクリストファー殿下を引きずり応接室から追い出してくれた。
せっかくダラの時間でリフレッシュできたのに、あの男のせいで台無しだわ……!
イライラしたので、目の前の手をつけられていないお茶菓子を完食したら、少しだけ気分が晴れたような気がする。そんなちょろい自分に小さく笑い、いよいよ仕事の時間に戻るかと気持ちを切り替えた。
「それでは私が王太子でいられないのだ! 激怒した公爵から廃太子を迫られて、お前と再度婚約しないと私は——」
そして結局、自分のことしか考えていない。廃太子したくないからここまできたのだ。自分の保身のためだけに。
「だからなんですの? 婚約者でもない私には関係のないことです。お引き取りください」
「そ、そんなこと言わないでくれ! お前と私の仲ではないか!」
「ふざけたことをおっしゃらないでください。貴方様とはもう縁もゆかりもない、ただの他人ですわ」
王太子殿下は返す言葉がないようで、ガックリと項垂れた。
私がフレッドに視線を向けると、承知したと言わんばかりにクリストファー殿下を引きずり応接室から追い出してくれた。
せっかくダラの時間でリフレッシュできたのに、あの男のせいで台無しだわ……!
イライラしたので、目の前の手をつけられていないお茶菓子を完食したら、少しだけ気分が晴れたような気がする。そんなちょろい自分に小さく笑い、いよいよ仕事の時間に戻るかと気持ちを切り替えた。