悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
10話 一緒に幸せになりたかった
「お姉ちゃん……」
なんと麗しの美少女が瞳に涙を溜めながら、私を姉と呼んだ。いくらなんでも気が早すぎる。そもそもフレッドのプロポーズだって受け入れてない。
「いえ、私はミカエラ殿下の姉ではございません。挨拶が遅れましたが、ユーリエス・フランセルと申します」
「ユリお姉ちゃん、ずっと会いたかった!!」
そう言って真珠のような涙を流して、ミカエラ殿下が抱きついてきた。その時、また懐かしい香りが私の鼻腔をくすぐる。
「わたしだよ! ミカ、美華なんだよ、百合お姉ちゃん!!」
「……え? み……か? 本当に美華なの……?」
そんな、まさか、そんな奇跡があるわけない。
ずっと幸せになってほしいと願っていた。あの子だけ残して死んでしまったことをずっと後悔していた。
その美華が、ここにいる? 私と同じように転生した?
——そうだ、この香りは美華がずっと愛用していた香水の香りだ。
「ごめんなさい! お姉ちゃんがこんなことになったのは、わたしのせいなの!!」
「待って、どうしてそうなるの? 本当に美華なら私だって会えて嬉しいのよ?」
そう言うと堰を切ったように美華は泣き出した。
とても話せる状況じゃなくて、昔みたいに背中を優しく撫でると「やっぱりお姉ちゃんは変わらない」と美華は泣き笑いした。
「美華、ずっと気になっていたの。ふたり家族だったから、美華だけ残してきて幸せになっているか、ずっと心配していたのよ」
「あ……あのね、わたし実は——」
なんと麗しの美少女が瞳に涙を溜めながら、私を姉と呼んだ。いくらなんでも気が早すぎる。そもそもフレッドのプロポーズだって受け入れてない。
「いえ、私はミカエラ殿下の姉ではございません。挨拶が遅れましたが、ユーリエス・フランセルと申します」
「ユリお姉ちゃん、ずっと会いたかった!!」
そう言って真珠のような涙を流して、ミカエラ殿下が抱きついてきた。その時、また懐かしい香りが私の鼻腔をくすぐる。
「わたしだよ! ミカ、美華なんだよ、百合お姉ちゃん!!」
「……え? み……か? 本当に美華なの……?」
そんな、まさか、そんな奇跡があるわけない。
ずっと幸せになってほしいと願っていた。あの子だけ残して死んでしまったことをずっと後悔していた。
その美華が、ここにいる? 私と同じように転生した?
——そうだ、この香りは美華がずっと愛用していた香水の香りだ。
「ごめんなさい! お姉ちゃんがこんなことになったのは、わたしのせいなの!!」
「待って、どうしてそうなるの? 本当に美華なら私だって会えて嬉しいのよ?」
そう言うと堰を切ったように美華は泣き出した。
とても話せる状況じゃなくて、昔みたいに背中を優しく撫でると「やっぱりお姉ちゃんは変わらない」と美華は泣き笑いした。
「美華、ずっと気になっていたの。ふたり家族だったから、美華だけ残してきて幸せになっているか、ずっと心配していたのよ」
「あ……あのね、わたし実は——」