悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
なんということだろう。この兄妹は私を皇太子妃にしたいらしい。ていうか、フレッドは私を愛称で呼び捨てにしてるし、中身は妹の皇女殿下に背後から撃たれまくっている。
逃げ切れる自信はないけれど、ダラは譲れないのだ。皇太子妃なんてとんでもない。
「お兄様、絶対にお姉ちゃんは逃しませんわよ」
「当然だ。まずは住処をここに移そうか? ユーリ」
「いえ、それは大丈夫です。もう家に帰りますので。失礼します」
「待て。ユーリ、俺から逃げられると思うなよ?」
ガシッとフレッドに腕を掴まれ、動けない。
もう片方の腕も美華に腕を組まれて振り解けない。
「待って待って、本当に帰りたい……!」
私の言葉はフレッドと美華には届かなかった。
逃げ切れる自信はないけれど、ダラは譲れないのだ。皇太子妃なんてとんでもない。
「お兄様、絶対にお姉ちゃんは逃しませんわよ」
「当然だ。まずは住処をここに移そうか? ユーリ」
「いえ、それは大丈夫です。もう家に帰りますので。失礼します」
「待て。ユーリ、俺から逃げられると思うなよ?」
ガシッとフレッドに腕を掴まれ、動けない。
もう片方の腕も美華に腕を組まれて振り解けない。
「待って待って、本当に帰りたい……!」
私の言葉はフレッドと美華には届かなかった。