悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
そんな新製品の開発も終わり、今度こそ本気でダラを堪能するとユーリ様は部屋にこもった。
だが、食事のたびに夜着に近い部屋着姿で俺の前に現れて、その気を許し切った様子に煩悩をこれでもかと刺激してくる。
そこでフランセル騎士団でも教わった精神を鍛える鍛錬を実践することにした。座禅を組み、親指と中指で円を作り膝に乗せる。目を閉じて浮かんでくる煩悩をただ受け流し、無の境地に至る。
「ふぁ〜、よく寝たわ〜。……え、フレッド、なにしてるの?」
ユーリ様の可憐な声が聞こえ、ぱちっと目を開いた。
「これは精神的鍛錬です」
「そう、ストイックなのねえ……」
この頃から俺の日課に精神の鍛錬になる瞑想が追加された。
しかし、これだけの期間ふたりきりでこの狭い家にいるというのに、なんの進展もない。俺の前でもあんなに砕けた部屋着のままで平気なのだから、そもそも男として見られていないのではと気が付いた。
おかしい、フランセル公爵家にいた時は頬を染めて視線を逸らしていたから、ある程度意識されていると思っていたのだが……俺の勘違いだったのか?
だが、食事のたびに夜着に近い部屋着姿で俺の前に現れて、その気を許し切った様子に煩悩をこれでもかと刺激してくる。
そこでフランセル騎士団でも教わった精神を鍛える鍛錬を実践することにした。座禅を組み、親指と中指で円を作り膝に乗せる。目を閉じて浮かんでくる煩悩をただ受け流し、無の境地に至る。
「ふぁ〜、よく寝たわ〜。……え、フレッド、なにしてるの?」
ユーリ様の可憐な声が聞こえ、ぱちっと目を開いた。
「これは精神的鍛錬です」
「そう、ストイックなのねえ……」
この頃から俺の日課に精神の鍛錬になる瞑想が追加された。
しかし、これだけの期間ふたりきりでこの狭い家にいるというのに、なんの進展もない。俺の前でもあんなに砕けた部屋着のままで平気なのだから、そもそも男として見られていないのではと気が付いた。
おかしい、フランセル公爵家にいた時は頬を染めて視線を逸らしていたから、ある程度意識されていると思っていたのだが……俺の勘違いだったのか?