悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
ミカエラ殿下は侍女に呼ばれて部屋から出ていった。フレッドも皇帝と皇后に報告しに行った。もしその報告が私のことだったら。
皇帝から「うちの息子どうだい?」なんて言われたら断れるのか? 小国の公爵令嬢でしかない私が。
逆に皇后から「まあ、私の息子に貴女のような女が? 冗談は大概にしてほしいですわ」とか嫌味を言われたら、言い返さずに微笑んでいられるだろうか?
よし、ここから逃げよう。どっちにしても私にいいことはない。
美華の安全も確認できたし、皇女なら生活に困ることもない。多少の不便はあるかもしれなけど、あの子なら大丈夫だ。それに皇女様の話は帝国にいれば嫌でも耳にするだろう。
「ねえ、一度荷物を取りに自宅に戻りたいのだけど」
「お荷物でしたらアルフレッド殿下が後程手配するとおっしゃってました。足りないものはすぐに用意いたしますので、不自由をおかけいたしますがお待ちいただけますでしょうか?」
「ちなみに皇城の外に出るのは……」
「申し訳ございません。城内でしかとユーリエス様のお世話をするようにと申しつかっております」
「わかったわ」
なるほど、どうやら簡単には逃してくれないようだ。侍女にこんな命令をしているくらいだから、騎士に頼んでも私を外まで連れていってくれないだろう。
皇帝から「うちの息子どうだい?」なんて言われたら断れるのか? 小国の公爵令嬢でしかない私が。
逆に皇后から「まあ、私の息子に貴女のような女が? 冗談は大概にしてほしいですわ」とか嫌味を言われたら、言い返さずに微笑んでいられるだろうか?
よし、ここから逃げよう。どっちにしても私にいいことはない。
美華の安全も確認できたし、皇女なら生活に困ることもない。多少の不便はあるかもしれなけど、あの子なら大丈夫だ。それに皇女様の話は帝国にいれば嫌でも耳にするだろう。
「ねえ、一度荷物を取りに自宅に戻りたいのだけど」
「お荷物でしたらアルフレッド殿下が後程手配するとおっしゃってました。足りないものはすぐに用意いたしますので、不自由をおかけいたしますがお待ちいただけますでしょうか?」
「ちなみに皇城の外に出るのは……」
「申し訳ございません。城内でしかとユーリエス様のお世話をするようにと申しつかっております」
「わかったわ」
なるほど、どうやら簡単には逃してくれないようだ。侍女にこんな命令をしているくらいだから、騎士に頼んでも私を外まで連れていってくれないだろう。