悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
 私はユーリエス・フランセル。バスティア王国の公爵令嬢だ。王太子であるクリストファー殿下の婚約者で、一週間前から熱が下がらなくて寝込んでいた。あまりにも高熱が続いてわけがわからなくなってしまった……でも思い出した。
 あれは、いわゆる前世の記憶だ。でもなんだかごちゃごちゃしてて、今は考えられない——

 再び意識は真っ暗な闇の中に落ちていった。でもこれだけは理解していた。
 私の未来は絶望的だと。



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