悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
「なるほど……フレッドはイリス様をお慕いするのね……」
「物語はそうだったけど、わたしが動いてかなり変わってるんだよね」
「そうか、教団を壊滅させたと言っていたわね?」
「そうなの、だから聖女が信徒になることもないし、お兄様がイリスと組むこともないの」
でも、もしフレッドがイリスと出会ったら、その時はやっぱり求婚するのだろうか。私を見つめるような熱い視線を、イリス様に向けるのだろうか。
……いや、そうなったらむしろ私にとって好都合では? そうなったら寂しいと思ってしまうなんて、どうかしてるわ。
「それなら本当にただ聖女として、国のために尽力してくれているだけかもしれないわね」
「うーん。へレーナは聖なる力も確かに使えるから、そうならいいんだけど。でもバスティア王国の生まれのはずなのに、リンフォード帝国に現れたのが引っかかるんだよね」
「まあ、教団が壊滅しているなら、へレーナにもなにかあったのかも」
「そうか……そうも考えられるよね」
そうしてあらゆる可能性をミカと話していたら、フレッドが戻ってきた。その顔は少し嬉しに綻んでいた。
「物語はそうだったけど、わたしが動いてかなり変わってるんだよね」
「そうか、教団を壊滅させたと言っていたわね?」
「そうなの、だから聖女が信徒になることもないし、お兄様がイリスと組むこともないの」
でも、もしフレッドがイリスと出会ったら、その時はやっぱり求婚するのだろうか。私を見つめるような熱い視線を、イリス様に向けるのだろうか。
……いや、そうなったらむしろ私にとって好都合では? そうなったら寂しいと思ってしまうなんて、どうかしてるわ。
「それなら本当にただ聖女として、国のために尽力してくれているだけかもしれないわね」
「うーん。へレーナは聖なる力も確かに使えるから、そうならいいんだけど。でもバスティア王国の生まれのはずなのに、リンフォード帝国に現れたのが引っかかるんだよね」
「まあ、教団が壊滅しているなら、へレーナにもなにかあったのかも」
「そうか……そうも考えられるよね」
そうしてあらゆる可能性をミカと話していたら、フレッドが戻ってきた。その顔は少し嬉しに綻んでいた。