気になる彼はドクターヘリに乗る救急医
1. プロローグ
大好きだった年上の彼とは、小学校を卒業してから一度も会ってない。
私が中学生になると、入れ違うように彼は高校へ進学。
その後、地元から離れた大学に行ったと姉から聞かされていた。
消息が分からないまま、社会人になった私。
就職した会社で日々の業務に忙殺され、大好きだった彼のことが脳裏から薄れていく。
私の心の中で、彼は子供の姿で止まったまま……
きっと、成長して大人になった私を見ても気づかない。
彼だって、容姿は素敵な男性に変わってるだろう。
怪我をして泣き叫ぶ幼少の私に、優しくしてくれた彼はヒーローのような存在だった。
あの時のことを思い出すと、今でも胸が締め付けられる。
彼と再会することはこの先もない、そんなふうに心の中で思っていたけど……
奇跡は起きた……