気になる彼はドクターヘリに乗る救急医
7.エピローグ
「よっ、目を覚ましたって報告があってな」
「氏家先生……」
私の手術は素早い対応のおかげで、大事に至らず手術も無事に成功した。
「問診です、高梨さん、何か気になるところはございませんか」
白井さんも姿を見せた。
相変わらずの仏頂面で、会話も事務的。
「そうね、気になるのは……白井さんと市川さんの関係かな……」
氏家先生が私の話を聞いて、横で笑いをこらえてる。
「アンタね……」
白井さん、私に向かってアンタはもう言わないって約束したのに。
いつの間にか復活してる。
「こんなにうるさい人、いつまでHCUに置いとくんですか? 氏家先生、聞いてます?」
女の言い争いに巻き込まれたくないから、先生は知らん顔をしていた。
「洋介くん、私が書いた手紙を見せてください」
「お前、俺のことは氏家先生と呼べっ!」
「洋介くん、胸ポケットにいつも入れてある手紙、見せてほしいな」
「うるせえ、ダメだ! これは俺のお守りだから誰にも見せねえ!」
「ケチッ……」