図書委員のさいとうさん。
さてと。
じゃーさっそく読んでみるか……。
でも俺あんまり活字が得意ではないんだよなぁ……眠くなっちゃう。



……………。



俺は初めて知った。
ラプンツェルって、野菜だったことを!
そして、それが食べたいためにお腹の子を妖精に引き渡したと……。



(とんでもねぇ話だな、おい。)



その後も王子と逢瀬を重ねて、砂漠に追い出されたり双子産んでたり色々カオスな話だった……。



「これ、りなじゃなくても夢見そうなくらいすごい話だな……。」



そう呟いて、枕元に本を置いたまま眠りについた。










朝日が眩しい。おかしいな?
俺の部屋、遮光カーテンのはずなのに。
カーテン閉め忘れたか?
眠い目をこすりながら窓を見たら、石造りの部屋になっている。
床も壁も全部、石。
そしてベッドは藁だし。



なんと、俺は騎士になっていた……。



(うそだろ…………………!!?)



驚きのあまり声も出ない。
でも身体が何をするか理解している。
着替えを済ませ、宿舎の食堂で朝食をとり、訓練をすべく練習場に出た。



ここでやるのは、弓と剣の練習。
俺はまず、剣の練習をすることにした。
とても強いらしく誰も俺に勝てない。
ゲームのチート行為をやっているような、気まずさがある。



(でも俺なんもやってないしなあ。)



これは仕方ないってことだもんな。
しゃーない。諦めてくれ。
そんな中、誰かが俺に近寄ってきた。

 
「相変わらずレオは強いな。」




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