ミミちゃん

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」

悲鳴ーーー否、絶叫を上げて英美里はベッドから飛び起きる。汗のせいで髪が肌に張り付き、可愛らしいネグリジェはグチャグチャになっている。そんな中、天蓋付きのベッドの上で、英美里は呼吸を整えていた。

「あの女、小学校の時の……！」

夢に出てきた幽霊のことを考えていると、一つの記憶が蘇ってくる。それは、英美里が小学校の時のクラスメートだった小林塔子（こばやしとうこ）のことだ。今まですっかり忘れていたが、こんな形で思い出してしまうなど最悪だと英美里は舌打ちをする。

すると、部屋のドアがノックされて屋敷で働いている使用人の一人が入ってくる。使用人は心配そうに英美里を見つめ、声をかけてきた。

「失礼します。大きな悲鳴が聞こえましたので……。英美里お嬢様、大丈夫ですか？」

英美里はギロリと使用人を睨み付けると、手元にあった枕を思い切り投げ付ける。使用人が痛がっていようが、お構いなしだ。