ミミちゃん
だが、塔子は何をされても顔色を変えなかった。クラスメート全員、英美里の命令で彼女に話しかけることがなかったというのに、塔子は毎日学校に来て、読書と勉強だけをしていた。何をしても反応しない塔子に、英美里は次第に苛立ちを覚えるようになっていく。
「何なの、あの女!何で涼しい顔して学校来てるわけ?マジムカつくんですけど!」
取り巻きたちが宥めるも、英美里の怒りは収まらない。どうにかして塔子が嫌がっている様子を見たかった。
そんなある日、国語の授業で作文の発表をすることになった。作文のテーマは「私の宝物」である。英美里は作文を使用人に書かせ、他の人の発表をぼんやりとしか聞いていなかった。
「はい、素敵な作文でしたね。じゃあ次は小林さん!」
「はい」
担任に指名され、塔子が原稿用紙を手に立ち上がる。塔子の周りに座っている英美里の取り巻きたちは、「服すら買えない貧乏人に宝物なんてあるの?」とヒソヒソ話しながら顔を見合わせてクスクス笑っていた。そんな中、塔子が発表する。
「何なの、あの女!何で涼しい顔して学校来てるわけ?マジムカつくんですけど!」
取り巻きたちが宥めるも、英美里の怒りは収まらない。どうにかして塔子が嫌がっている様子を見たかった。
そんなある日、国語の授業で作文の発表をすることになった。作文のテーマは「私の宝物」である。英美里は作文を使用人に書かせ、他の人の発表をぼんやりとしか聞いていなかった。
「はい、素敵な作文でしたね。じゃあ次は小林さん!」
「はい」
担任に指名され、塔子が原稿用紙を手に立ち上がる。塔子の周りに座っている英美里の取り巻きたちは、「服すら買えない貧乏人に宝物なんてあるの?」とヒソヒソ話しながら顔を見合わせてクスクス笑っていた。そんな中、塔子が発表する。